タクシー日記
EXPO交通、舞洲はてんてこ舞いか
EXPO交通、舞洲はてんてこ舞いか
タクシーのご利用、誠に有難うございます。
先日の日経新聞、第一面の真ん中辺りに、
「雨天のライドシェア(以下RS)拡充、
時間や台数、イベント時も拡充」
との記事がありました。
雨天時や大規模イベントでは、タクシー不足
が発生します。数ある公共交通のなかで、
タクシーだけがすべての需要に100%応じなけ
ればならないような風潮に疑問を呈するタクシー
事業者は少なくありません。
記事によると、国交省は日本型RSとして4月より、
タクシー会社が運行を管理し、地域ごとにタク
シーが不足している曜日と時間に限って一般ドラ
イバーが有償で乗客を送迎するライドシェアを
導入した。現在の仕組みのなかで、利便性を
向上させる。東京の平日朝では1780台のRSが
運行するが雨天や鉄道遅延時にはRSの稼働区域
や時間、台数そのものを増やすように検討する。
気象庁とも連携する。大阪では吉村知事がRSの
24時間運行を訴えているが、政府はそのような
全面的な解禁については期限を設けず議論する
という方針を示した。
記事の内容は以上です。
私のような業界人には既知の内容ですが、記事
最後、大阪での万博に向けたライドシェアに
ついて私見を述べます。
まず、184日間で2820万人の来場予測とのこと。
最大1日22.7万人が来場、東京ディズニーリゾ
ートの1日平均の約3倍。大量輸送を担う鉄道
やバスがどこまで輸送力を強化できるかが鍵
となります。東西の大阪メトロ中央線が梅田に
直結していないこと、通勤時間に重なる弱点を
どうするか、水都ならではの水上交通をどれ
だけ拡充できるか・・・「もし、あなたが大阪
知事だったら?」と考えましょう。
私なら容易にRSに飛びつきません。万博の混雑
対策は、交通形態全体で考えるべきでタクシー
ハイヤーはその一部です。個別輸送にもかかわ
らず、道路を占有しながら走るので渋滞の根本
要因になります。梅田方面から夢洲へのルート
は舞洲経由の実質一本だけです。舞洲の入り口
付近で大渋滞になることに間違いなしです。
舞洲はここぞとばかりの万博用駐車場の役割を
果たすとしても、夢洲から咲洲(南港)へ脱出
する道路も片道一車線のトンネルです。
すなわち、万博期間のライドシェア全面解禁な
んてしようものなら舞洲への袋小路に車両を
送り込むだけで「てんてこ舞い」必至です。
万博も祭りなので、てんてこ舞いになるほど
入場者が増えることは良いのですが、交通が
てんてこ舞いというのは会場に行くことができ
ない交通難民を増やすことになります。
会場は目の前なのに、入れないというほど
「やきもき」することはないでしょう。
・他県のタクシー応援を求める
(ジャンボタクシーなど大型が望ましい)
・入場は予約制にして交通調整する
・企業や役所らの通勤時間を変更する
・マイカー入場の規制をかける
吉村知事は供給を増やすことばかりに考えて
いるようですが、需要を均すことを注目して
ほしいと思います。