タクシー日記
観光とタクシー その②
観光とタクシー その②
平素はタクシーのご利用誠に有難うございます。
「観光」について2回目です。
先日、全国ハイヤータクシー連合会の副会長が
新潟県で始まる日本版ライドシェアの査察及び
個人的に親しい新潟県知事との会合のために
同県を訪れたときのことです。
「せっかく新潟に来たのだから、タクシーで
観光しよう」と思い立ち、駅前のタクシーに、
3時間の貸切で観光したいと依頼すると・・
「新潟なんて見るとこねえよー」と2、3人の
運転者に言われたそうです。
これが仮に大阪だったらどうでしょうか?
大阪の運転者が言いそうなことは予想できます。
「大阪城とか、USJとか、海遊館にお送りする
ことはできますが、3時間の貸切っていうのは
ねー、見て回るほどの場所はないですね」
こんなことを言いそうです、つまり新潟と同じ。
自己肯定感がないというか、自虐というか。
いや、あります!大阪にも見所が、しかもタクシ
ーの機動力を活かして見て回る観光巡りが。
大阪の観光資源などについては大阪観光局の情報
を定期的に見るのが良いと思います。情報も最新
のものが毎日のように更新されています。
タクシー運転者は「道」に精通しています。
バスなら降りた場所にまた戻ってくるという繰り
返しですが、タクシーでは「○○で待ち合わせ」
といった乗降車が可能です。
大阪を案内するには大阪の知識が必要なので、
以前は「みんな大阪検定を受けよう」という取り
組みを会社全体で行っておりました。
検定を受けなかった社員には後日会社が独自に
問題を作成して(地理の問題を加えて)80点以上
に賞金を出すという徹底ぶりでした。
大阪検定は現在は終了しています。問題が出尽く
したから?いいえ。問題は作ろうと思えばいくつで
も作れるでしょう。大阪の街は、とくに梅田北は大
きく変化しています。
大阪タクシーセンターでは「外国人のおもてなしは、
外国人の母国語でアテンドするに超したことはない」
という趣旨で大阪府下のタクシー運転者に「英語、
中国語、韓国語、その他言語を話して接客しよう」
という活動”インターナショナルビジターズタクシー”
(略してインタク)を10年間実施中です。
今回は当社でも例年になく多くの運転者が登録する
予定です。登録者には英語の研修などが開催されます。
言葉はあくまでも道具です。言語を話すことと同様、
あるいはそれ以上に重要なことは相手の文化を学び、
相手の話を良く聴き(傾聴)わかりやすい言葉を選
んで話すことです。生野区には多くの異なる国の人々
が住んでいます。大阪弁の早口や日本人なら理解する
言い回しや難しい言葉で外国人と話しても、相手に
理解されません。
そこで生野区ではもう10年も前からでしょうか。
「やさしい日本語で話そう」運動を実施しています。
観光タクシーの制度を大きく見直さないと、いつまで
経っても「観光にはタクシーという選択肢」がお客様
に普及することはありません。お客様ご納得の料金と
「この人に大阪を案内してくれて良かった!」と満足
いただける運転者の養成に全力で取り組む所存です。